税理士になって26年がたつ。
最初の6年は勤務税理士として顧客の申告書作成に心血を注いでいた。
ただ、開業後は税務顧問先の件数が少なかったこと、そして創業間もない顧客が多かったことから、税法というよりは経営のことを多く相談され、また勉強もした。
会社経営をしていてまず問題になるのは資金のことである。
ただ、金融機関が支援をしてくれているうちは資金の悩みが社長の口から出てくることはあまりない。
多くの社長が絶えず口にするのは人の問題である。
「どうしたら社員が自分の思うように働いてくれるのか」というフラストレーションは、古今東西の経営者が一度は経験するものなのであろう。
なぜなら、人間は自分の経験というフィルターを通してしかものを見ることができないから。
なので、社員目線でも「どうして社長はこういうものの見方、言い方しかできないのだろう」と別のフラストレーションを抱えることになる。
ということで、組織づくりにはコミュニケーションが欠かせない。
人づくりにはまずは会話をすることからである。
人にはそれぞれ背景がある。
そこを相互に理解しないと前述の問題はクリアできない。
では、どのような会話をすればよいのか。
結論から言うと経営計画を一緒に作ってくれる仲間にしてしまうことである。
会社は、たとえ二人であっても組織であるはず。
各々の役割を果たして会社としての成果を上げなければならない。
雑談の中で社業の話をすると、相互批判に展開していくかもしれず、なかなか意見を言い合うことは難しい。
ただ、理念や組織ビジョンを共有したうえでの議論であれば、批判ではなく意見として傾聴することもできるだろう。
そして、定期的に検証の機会を設ければ、お互いへのフラストレーションも薄れていく。
人の問題を抱えている社長には、経営計画の作成と実践こそが最良の解決方法とご提案したい。