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「簡易課税制度は必要か」:魑魅魍魎化した現在の消費税法に思う

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昨年の10月にインボイス制度が開始し、消費税の仕組みについて解説する機会が増えた。消費税法が施行されて36年、驚くほどにその仕組みは一般の国民には認知されていなかった。
消費税は間接税。間接税とは納税者と納税義務者が異なる税をいい、納税義務者(会社)は納税者(消費者)から預かった消費税額を、預けた消費税額から差し引いて税務署に納税する。所得税や法人税と異なり、何が収入になり何が経費として認められるのか、といったことは関係ない。いたってシンプルな税制なのだ。

ところがである。消費税の計算を行うにあたり「売上1000万円以下の小規模事業者は手間暇が惜しいであろうから免税にしてやろう」ということで事業者免税点制度が設けられ、また「売上5000万円以下の事業者も手間暇が惜しいであろうから、まあ免税にはできないけど計算を簡易にできる方法も認めてやろう」ということで簡易課税制度が設けられた。

ここに、税理士や経営コンサルタントが悪知恵?を働かす。ここでは、詳細な説明はしないが、この制度を上手く使えば、消費税の還付を受けたり、消費税の額を引き下げることが出来たり。またまた消費税の納税義務を免除されたり。
国税局も黙ってはいない。この悪知恵が目立つと、制度改正によりそれを潰しにかかる。その36年間のイタチごっこの結果、消費税はとても複雑なものになってしまった。

全ては免税点制度や簡易課税制度があるからである。

そもそも、同制度は上述したように「煩わしい記帳の手間暇からの解放」を目的としたものであった。では、36年前と同様に消費税の記帳は煩わしいものなのか。DXが進んだ現在、会計帳簿を手書きでノートにつけている納税者はほぼいない(皆無ではないが)。専門家の視点で言わしてもらえば、コンピュータの力を借りれば消費税の計算をするのにさほどの手間暇はかからない。確かに、何が課税取引で不課税取引かという判別は難しいが、給与や租税公課等の大きな非課税支出は最初からコンピュータで非課税取引と設定されている。あとの判別ミスは些少ともいえる。

免税点制度や簡易課税制度は廃止すべきである、が私の意見である。

一方で、特に簡易課税制度は我々士業事務所にとっては非常にメリットのある制度(益税が多い)なのである。なので、日本税理士会連合会は簡易課税制度に反対意見は述べていない。税理士損害賠償保険事案の最たる税目になっているにもかかわらずである。

れいわ新撰組のように消費税法の廃止までは言わないが、同制度は廃止してもらいたい。
それが、税制の簡素・中立・公平の3原則に最も忠実なあり方だと思うからだ。

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