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天下の悪法「インボイス制度」

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インボイス制度が10月1日から施行された。

インボイス制度の詳細についてはここでは控えるが、クライアント向けにインボイス制度についての説明をしている中で感じたのは「一般国民の消費税の仕組みについての知識の無さ」である。

各種団体からインボイス制度のセミナー講師を依頼されるが、セミナー内容の90%はインボイス制度ではなく、消費税の仕組みについてとなる。

そこから始めないとインボイス制度は解説できない。

今回の改正?の目的は「増税」である。

消費税は税の負担者と納税者が異なる、いわゆる間接税という部類に属する税である。

国民がスーパーのレジで支払う商品の代金には本来の価格にその10%(または8%)の消費税が含まれている。

その額を消費者に代わりスーパーを運営する会社が税務署に納めているのだが、仮にそのスーパーの年間売上高が1000万円以下である場合、今までは免税業者として消費税の納税を免除されていた。

消費者から消費税を徴収しているのに。

そういった免税業者が消費税を徴収することをできないようにする制度が今回のインボイス制度である。

それなのに、である。

免税業者制度は依然として残している。

ここを残しながら、消費税を徴収したい業者は、インボイスナンバーを申請取得して、消費税の課税事業者になりなさいという選択性をとっている。

一見すると寛容にも見える制度設計ともいえるが、先述したように、国民はそもそも消費税の仕組みを理解していない。

そのような者にとって選択の機会を与えられても混乱するばかりである。

税理士がサポートしたらという意見もあるだろうが、我々の仕事は制度の説明をするだけである。

先を読み決断するのはあくまで納税者だ。

私見であるが、インボイス制度はいらなかった。

免税業者制度の廃止、あるいは免税点の引き下げ(1,000万円を500万円以下に)だけでよかった。

請求書をインボイス制度に則った仕様にするために多くの事業者がベンダーにシステム変更料を支払っている。

国税庁も多くの予算を割いている。

無駄な出費だ。

「欧米のようなインボイス制度を」という声も聞くが、欧米には日本のような青色申告制度はなく、所得計算も複式簿記ではないと聞く。

今回のインボイス制度は、現場を知らない政治家と高級官僚の机上の空論に国民が付き合わされた形となっているのが実情だ。

これが一般の会社であれば、多くの上場企業にがそうであったように、やがて事業が行き詰まり、解体、破産という憂き目にあうだろう。

構造改革が叫ばれて久しいが、叫んでいる本人たちの頭の構造改革もお願いしたい。

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